だぶる

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9月から始まった展覧会ですが、10月初めに一部展示替えをしました。

最初の展示のキャプションは、薄い紙にプリントしたものを壁に直接糊張りました。

展示替えした作品には厚紙にプリントしたものを両面テープで貼りつけています。

つまり、キャプションのタイプが同じ会場に2種類あるわけです。

最初の作品を撤去したときキャプションは剥がさずそのまま残し、新たな作品を会場に設置しました。

そのため、キャプションはあるのにその作品がない・・・という場所ができてしまったのです。

できてしまった、というよりそういう状態を作ったのですが、同じ空間が二重に繰り返し使われる様子をこのキャプションによって具体的にしたかったのです。

つまり空間と時間が「だぶる」ことです。

古いものが新しいものと共存するというのは日常的に身の周りでよくあることですが、「展覧会」という形式の中で試みられたことは収穫でした。

2020/10/25


 

 

輪郭線を探す・A-A

輪郭線を探す・A-B

370×270×25mm

綿布に蓄光塗料

2019

 

 

 

リンゴの写真を撮る。

輪郭線だけに合焦していて、他はすべて大きくぼけている。

 

あるいはそこにある壺の輪郭線だけがカミソリのように際立ち、あとは全部大幅にぼけている。

 

指でつまんだ縫い針の、先のごくごく一点だけにピントが合って、それ以外はかたちの詳細がわからないほどぼけている。

 

そんな写真を撮ってみたいと思っている。

 

2020/10/12