[点を拾う]

h: 950, w: 585, d:25mm

パネルに綿布・アクリル絵の具・鉄

2020

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モアレが点を拾う。

小さなドット柄の綿布の上に、それと同じ間隔で孔のあいたレース生地を重ねている。

ドットと孔の重なった部分が濃い点となって現れてくる。

二つの規則正しい点の並びが新たな秩序(点)を拾ってくる。

 

モアレ  フランスmoiré

見る方向により木目の模様の表れる織物。

また,その加工。タフタ・アセテートなどに施す。

規則正しく分布している細かな点や線を重ね合わせたときに新たに生じる斑紋。

 


[Curve]

h:513, w: 908, d: 25 mm

ラムダ銀塩プリント・アクリル板・鉄

2020

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カーブ curve(名)スル

曲線。

円弧を描くように曲がること。また,その曲がっている部分。「ゆるやかにした道路」

野球で,投げた球が曲がること。また,その球。高低差を伴う。


[ハレ]

h593, w: 410, d: 25mm

パネルに綿布・油彩・鉄

1996

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1996年に作った2点組作品の片方である。

一方は幅広のボーダー柄(紅白)をパネルに貼り、片方のこれは同じボーダー柄の赤色部分に赤色を、白色部分に白色を塗っている。

形と色をだぶらせているだけだ。

要するに元の縞柄と油彩を施した縞柄を並置する説明的な作品だった。

今となっては2点並べる必要性を感じない。

作品は「役者」だ。

古い相棒の役者「一人」を今回の展覧会で出演させてみた。

 

[Horizontal stripes]

h: 500, w: 380, d: 25 mm

パネルに綿布・ウレタン樹脂・油絵の具・鉄

2021

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A・B・Cという並びを、A・C・Bという順番にしてみる。

最近、そういうことをいろいろ試みている。


[図形を重ねる]

h:355 , w:295 , d:30  mm

パネルに麻布・・水性塗料・和紙にスクリーンプリント 

 マホガニー

2021

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水玉の配置は壁紙の模様からそのまま忠実にとった。模様にはルールがあって、決まった配置を繰り返し・つなぎ合わせながら広面積の柄を作っている。美濃紙の表・裏に大きな水玉が重なるように別の色で印刷し、荒い麻布でできた支持体に貼ってある。規則正しい模様の重なりはモアレを生むが、これはモアレの拡大図でもある。


[風景を捉える・B]

h:320 , w230: , d: 50 mm

バライタ紙・ゼラチンシルバープリントに雑巾がけ・クリップボード

2020

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この写真は「雑巾がけ」という手法で制作している。

雑巾がけとは、プリントした印画紙に油絵の具を塗りつけ、布で拭き取るなどして手を加えた手彩色の一種である。

その様子が雑巾をかけるようなので「雑巾がけ」という名称で呼ばれる。

1920-30年頃、主に日本で流行した技法である。

撮影はフィルムで行い、暗室作業を必要とするが、デジタル写真にはない趣がある。

 

 

 


[風景を捉える・A]
h: 515, w: 345, d: 25 mm
ラムダ銀塩プリント・アクリル板・鉄
2020
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奈良・猿沢の池に映る松の木を柳の枝越しに撮った。

[月を見ている]

[雲を見ている]

h: 215, w: 215, d: 40 mm

ラムダ銀塩プリント・アクリル板・鉄

2020

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類似する形が偶然に隣り合うことがあって、その様子を興味深く思う。

厚い鉄製L字鋼でフレームを作り、マウントするアクリルも厚めのものを使った。

光や空気の軽さと、それを閉じ込める堅牢な容器が欲しいと思った。


Divided into four/Twin

h: 180, w: 180, d: 40 mm

ハーネミューレ紙にガム印画・鉄

2020

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採光のためのガラスブロックだと思う。

波形トタンの壁面に取り付けられていた。

正方形二つのかたまりが段違いに配置してある。

それを画面の中央に撮影した。

 


[無意味の崩壊]

h: 812, w: 462, d: 25 mm

ラムダ銀塩プリント・アクリル板・鉄

2020

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わかりやすい、ということに惹かれることもある。

しかし、わかりやすいとつまらなくもある。

わかるって・・・どういうことかな。

何がわかったというのだろうろう。

表現での常套手段は誤解の種を内包する。

 

 


[光学的風景]
h: 812, w:462, d: 25 mm
ラムダ銀塩プリント・アクリル板・鉄
2020
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SMC PENTAX SOFT 1:2.2 というレンズを使って、絞り開放で撮った。
収差が予想外にあって、それが面白い。
写真は光の痕跡だと改めて思う。

[紅白]
h: 497, w: 482, d: 25 mm
パネルに綿布・アクリル絵の具・鉄
2020
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原始時代にはなかった概念、矩形。
矩形と人類の付き合いは長い。
絵画も写真もモニターも雑誌も、みんなこの四角い形を意識している。

矩形を眺める・F
h: 813, w: 1082, d: 25mm
ラムダ銀塩プリント・アクリル板・鉄
2020
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住む人の必要からこの窓ができた。
外側のレイアウトから中の部屋が設計されたわけではない。
住人の事情によって形ができる。
窓は四角くそして二枚のガラスから成り立っている。
希に一枚ガラスもあるな。

[形を作る・A

h: 515, w: 515, d: 25 mm

ラムダ銀塩プリント・アクリル板・鉄

2020

 

形を作る・B

h: 180, w:230, d: 120mm

目打ち・ピンセット・木・ケミカルウッド

2021

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印刷物などで「写真はイメージです」という表記を見ることがある。

そうそう、写真はイメージであって本物ではない。

「形を作る・A」「形を作る・B」はピンセットと目打ちをぴったりくっつけた「形」だ。

二つの道具の機能性が寄り添って形を作っている。

全く違う目的でできた形が仲良しな関係を生み出していた。

だからといって何ということでもないけれど。


[二辺の長さが等しい四角形] 
h: 840, w: 850, d: 25 mm
パネルに麻布
2020
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水平線・垂直線というのはおそらく重力から生まれたものだ。
水が水平状態におさまるのも、物体が垂直に落下するのもその原理だ。
直角を持つ四角形「矩形」は重力を内包している。
だから絵画や写真には都合がいい形だと思う。
水平・垂直関係から対象を捉えることができるからだ。
この「二辺の長さが等しい四角形」は直角を持たず、重力を外に持つ。

Signal light

h: 154, w: 154, d: 60 mm×3

有孔アルミ板・蓄光顔料・木

2020

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灯を消すと蓄えられた光が漏れ出す。

漏れ出した光はどこに行くのだろう。

なんか命のようだな、光って。

2021/01/12


方向を変える

h: 170, w: 240, d: 240 mm

木製猫足花台(既製品)・漆

2020

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古い猫足の花台をいくつか持っている。

これは猫足というより「豹足」と言った方が似合いそうな形だ。

購入したときから足の先が折れていたので修理してみた。

ついでに足の方向を逆に取り付けたら、振り向く速歩の動物のように見える。

2021/01/11