[人生最後]

 

写真の引き伸ばし作業をした。

先日買った現像液「コレクトールE(FUJIFILM)」を使った。

 

コレクトールEは製造中止になったようだから、手持ちが残り一回分となった。

人生最後のコレクトールを明日使うことにしよう。

人生最後 ・・・というと何だか貴重な感じが高まる。

 

安価な薬品だったけれど、安価ゆえに製造中止になったのだろう。

使う人がいない上に、安いから。

 

人類最後ではない・・・・と思う。

いずれ誰かが人類最後のコレクトールEを使うことになるだろう。

たぶん、僕は人類最後ではないはずだ・・・・。

そこも残念。

 

今日一日で終わると思った暗室作業だが、終わらなかった。

一日中太陽を見なかったので不健康な気分だ。

 

撮影時にはとても興奮して撮った風景だが、印画紙に焼いてみたら「なんだ・・・」というようながっかりする写真になったりする。

手応えはあったのに、プリントしてみたらつまらない。

逆に、とりあえず・・・撮った一枚が、いい感じに化けることもある。

だから暗室作業は面白いし、ショックにも出会う。

2022/04/30


[なぞる]

 

こだわりの看板。

イカ墨ご飯にカレーがかかっているようにも見える。

やはり・・・その名も こだわり カレー。

 

原因は日光と風雨のせいだと思う。

時間の経過は物体の変化を誘うものだ。

人体もしかり。

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インテリア度 は低い。

お宝度 はそれほどないかな。

わからへん・おもろい度 は・・・まあ高いほうか。

アヴァンギャル度 は結構高いと思う。

なるほ度 は無い。

まあ、この場合 なるほ度 というより、誤解度はあるな。

「誤解度」という項目は クサカベ式レーダーチャート には無いけど。

 

2022/04/29


[書きながら消す]

 

塗っているのではない。

書いている。

白い塗料で文字を書いている。

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お好み焼

たこ焼

たまちゃん

←すぐそこ ☎67-1617

 

最初はこう書かれていた。

じっくり見たら読める。

 

その後、おそらく白い塗料を看板一面に塗ってからだと思うが、

 

カラオケ

ハウス

たまちゃん

← ☎67-1617

 

と、赤い文字で修正してある痕跡が見える。

この時点で たまちゃん の「ん」の文字が元気よくはみ出している。

 

そして今度は白いペンキで文字をなぞり、わざと見えにくくしている。

この白文字が意味不明だ。

全面塗りつぶすのではなく、筆跡を残しながら丁寧に文字をなぞり、消している。

 

いや、これは「消している」のではなく「書いている」のだろうか。

書きながら消している。

消しながら書いているのか・・・。

 

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じっくり眺めるとなかなか「お宝度」が高い。

「アヴァンギャル度」もある。

「インテリア度」はないけど「わからへん・おもろい度」はあるな。

「なるほど」はかなり低い。

2022/04/28


年齢差を知る

 

Oギャラリーeyes企画の7名の出品者による展覧会、Standard Japan Edition 2022が昨日終わった。

 ギャラリーの企画意図は次のようなものだった。

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現在の日本の中に見られる情景は、長い年月を経て培われてきた歴史や近代化による変革、戦後からバブル期に到るまでの経済成長、外交発展等の影響からも伺えるように、様々な景観を形成してきました。

それは日用品や衣類、住居においても大きく繁栄され、古来の自然に恵まれた日本の風土や生活スタイルを劇的に変化させ、現在に到っています。

平成以降、サイバー空間を通じて容易に外在の世界を取り込み順応出来るいま、デジタルとフィジカルな空間が複雑に交錯する情景こそ標準的な日本の様相として浸透しています。

本展は「スタンダード ジャパン エディション」と題して、各作家の視点と作品を交えながら、様々な関係性の所産として在る現在の日本の様相を模索します。

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出品者の生年は次の通り。

1953年生まれが1名・1988年生まれが1名・1990年生まれが1名・1992年生まれが1名・1996年生まれが1名・1998年生まれが1名・1999年生まれが1名。

1953年生まれというのは僕で、1999年生まれの最も若い出品者とは46歳の年齢差がある。

そのことに気付いてちょっとショックだった。

同じ「作家」としてしか意識していなかったのに、年齢差を知って自分の歳を再確認できたような感じだ

年齢は違うが、この時代に生きている。

僕は現在 68歳。

2022/04/24

 

 

[数字と量感]

 

数字と量感の関係を察知することが苦手だ。しかし、世の中は数字が幅を利かせている。

 入試シーズンは終わったが、偏差値や合格点などよく話題になる。オリンピックも0.01というような数字が勝敗に関係していたし、オミクロン感染者も都道府県別に数値化される。その数字と量感の関係をどれほど自分で体感できているのだろう。

 大きい・小さいを重さや長さで表記できるだろうが、実際は視覚と触覚、さらに言えばそれにまつわる空気を感じ取ることだと思ったりもする。

(日下部一司)


[ニュアンス]

 

歯医者に通っている。

ちょっとした治療をして歯茎を縫合した。

消毒のため歯科に行くと、若い先生が「日下部さん、痛みはないですか?」と聞いてくれた。

「はい無いです。」と答えたら、「ほんとですか?」と応じてくれた。

 

最近この「ほんとですか?」が気になっている。

僕はうそを言っていない。

「俺を疑うのか!?」・・・とまでは思わないけど・・・。

 

若い世代でこの言葉がちょくちょく漏れる。

「ほんとですか?」自体は新語ではないが、言葉の意味合いに変化が生じているように思う。

2022/04/21


由布岳と円形
由布岳と円形

[明度を見る]

 

2年間近く、モノクロームフィルムを中心に撮影をしている。

デジタルでカラー写真を撮っていた頃と違うのは、色相ではなく明度を見るようになったことだ。

ノートリミングで撮った写真を小さく印画紙に焼く・・・そういう前提で風景を見る。

近年は「雑巾がけ」で写真作品を仕上げているので、雑巾がけのイメージをかぶせて被写体を眺める。

 

先日、仕事をいただいて由布院に行った。

現地の風景を写真に撮って比較的大きな作品にしないといけない。

どのように対応しようかと考えたが、いつも撮っている写真を大きく引き伸ばすことが出来ないことに改めて気づいた。

最近の写真は試行錯誤のうえ現在の小ささにたどり着いたものなので、同じ写真を大きくすることができないのだ。

 

そこで、デジタルカメラを使うことにした。

今回はカラー写真を撮ることに決めて撮り始めると、いつもの調子で撮れない。

風景の色相を見る感覚が戻らないからだ。

クライアントの立場を意識してしまうことも原因だ。

 

これまで僕の写真は、自分のためだけに撮ってきたのだと思う。

もちろん相手を意識しないわけではないが、要望に応えるのではなく相手の反応を見たいためにやってきたのでちょっと勝手が違うことに戸惑う。

2022/04/04


[予定]

 

美濃加茂市民ミュージアムの年間カレンダーができた。

日下部一司 展[風景を愛でる]

2023年 1月28日(土)-  2月26日(日)

雑巾がけのモノクローム写真、100枚前後の展示を考えている。

2022/04/03


[もじ の じんゅばん

 

もじは きごうだ なかにを ひうょげん  しよう と おうもと きごうきてななにか を ひつよう とする かいが に おける えのぐ も たんなるぶっしつ が  ふけういや じぶんつ  を いめーじせさる きごう  の  ような やくめ を しいて おまりす。

2022/04/01